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【前へ】2011年04月13日

○福島第一原発 使用済み燃料の搬出計画

 東京電力は4月12日、福島第一原発で、冷却のために注水を続ける使用済み核燃料プールから、燃料を取り出す方法の検討を始めた。燃料の状態を確認するための作業を開始したが、原子炉建屋内の放射線量の濃度が高いため、具体的にいつから着手できるかは不明。
1、3、4号機爆発により屋根がない状態になっているため、核燃料プールが雨ざらしになっている状態。しかし、プール内の燃料、燃料を運ぶための設備なども爆発時に損傷し、通常の手順では運び出せない。検討は始めたが、具体的な方法や時期を特定できないでいる。

○相次ぐ余震、福島第一原発復旧作業が中断

 余震が相次ぐ中で福島第一原発の作業をしているが、余震が起きるたびに作業が中断している。4月11日午後5時過ぎにはM7.0の地震が発生。作業員全員が免震重要棟に避難、1〜3号機への冷却水の注入ができなくなった。また、停電により炉心の冷却機能が50分間にわたり失われた。汚染水の回収、施設の点検などの作業にも支障が起きている。

○福島第一原発事故、国際評価で最悪の「レベル7」

 政府は、東京電力福島第一原発1〜3号機の事故を、国際的な原子力事故の評価尺度で最悪の「レベル7」と暫定評価した。レベル7は過去にはチェルノブイル事故(1986年)しかない。
チェルノブイリ事故では、出力が急上昇して原子炉や建物が水蒸気爆発により吹き飛び、黒鉛火災が発生し大量の放射性物質が放出された。それにより百数十人の職員や消防士が高濃度被爆による急性放射線障害を起こした。福島第一原発は、チェルノブイリより爆発規模は小さい。しかし、チェルノブイリは約10日間で収束したが福島第一原発は一ヶ月が経過した時点で、収束のめどが立っていない。

○福島第一原発事故 4号機プール水からヨウ素検出

 東京電力は、福島第一原発4号機の一時貯蔵プール内に保管されていた使用済み核燃料の損傷している可能性があると発表した。12日に採取したプールの水から、放射性ヨウ素が検出されたという。
東電は「検出量自体はあまり多くないので、損傷は一部」と説明している。損傷の原因は電源喪失でプール水の循環冷却機能が停止し、プール水の蒸発が進み、燃料が一時的に露出した可能性が考えられるという。

○福島第一原発事故 低汚染水を海に放出

 東京電力と経済産業省原子力安全・保安院は15日、東電が4日〜10日にかけて意図的に海に放出した低濃度放射性汚染水が、合計1万393トンにのぼったと発表した。含まれるヨウ素131やセシウム137などを合算する1500億ベクレルとなる。
放出した放射能の濃度は、原子炉等規正法が定める海水での濃度基準の約100倍。

○福島第一原発事故 東電が2段階の工程表

 東京電力は、福島第一原発の安定に向けた工程表を示した。原子炉や燃料プール、汚染水処理など項目ごとに2段階の目標と対策を挙げた。
3カ月で安定冷却、冷温停止に3〜6カ月の目標を設定した。しかし今後の見通しについては、経産省原子力安全・保安院が作業の進行状態や安全性の確認をしていく。

○福島第一原発事故 高濃度汚染水、海へ流出4700兆ベクレル

 福島第一原発2号機の取水口付近から高濃度の汚染水が海に流出した問題で、汚染水によって放出された放射性物質の総量は、4700テラベクレル(ベクレルは放射線を出す能力の強さ、テラは1兆倍)と推定される。東電が定めた保安規定の約2万倍に相当する。
流出総量は、4月1日から流出が始まり6日の止水確認時まで一定量続いたと仮定して試算した。東電は、汚染水が海に拡散するのを防止するために、1〜4号機取水口前面や取水口を囲む堤防のすき間に「シルトフェンス」を設置した。

○福島第一原発事故 燃料棒溶融、東電が認める

 東京電力は20日、福島第一原発1〜3号機の原子炉内の燃料棒が一部溶融していることを認めた。これまで燃料の損傷は認めていたが溶融については認めていなかった。
東電は、1〜3号機のタービン建屋地下などで3月30日までに採取した汚染水の成分分析のやり直し結果を発表。燃料が溶融しないと放出されない物質が高濃度含まれていたとしている。ただ東電は、「燃料の一部が溶けてむき出しになっているところはあると思うが、炉心が溶けてどろどろになって底部にたまっている状態にはなっていない」という。

○福島第一原発事故 4号機タービン建屋地下汚染水高濃度に

 東京電力は25日、福島第一原発4号機タービン建屋地下の汚染水について、約一ヶ月前に比べ、放射性セシウムが250倍の高濃度になっていることを認めた。3号機タービン建屋から流入している可能性がある。水位も上昇していて、原子炉安定の工程に影響を及ぼす恐れがある。
建屋内部の水位は徐々に上昇しており、床から最大1.15メートルの水深が計測され、1週間前より15センチも上昇し、水量も増えているという。

○東日本大震災、宮城県「復興会議」を発足

 宮城県は5月2日、東日本大震災の復興系策策定に向けて「宮城県震災復興会議」を発足させた。同会議の議論を元に県独自の復興案を策定する。8月までには策定する方針。
宮城県が独自に復興案の策定を急ぐのは、国の動きが遅く待っていられないという背景がある。委員を務める村井知事は、国からの多額の支援が不可欠なので、財政支援を確実なものとするためにも策定を急ぐという。県の予算だけでは賄えないがれきの撤去や処理、ライフラインの復旧に向けた予算獲得を目指す。

○福島第一原発事故 放射能拡散、保安院予測未発表

 細野豪志首相補佐官は2日、福島第一原発事故で放出される放射性物質拡散予測のうち、5000件が公表されていなかったことを明らかにした。
拡散予測にうち、原子力安全委員会が持っていたデータ(緊急時迅速放射能影響予測システム)は4月25日の記者会見ですべて公開すると発表したが、文部科学省、経済産業省原子力安全・保安院などの予測データは公開されていなかったという。
細野補佐官は、データの存在さえ知らなかったといい、公表しなかった理由として「すべて公開することで国民がパニックになると懸念した」と説明している。今後は各機関のホームページで順次公開するという。

○自民党、原発推進派結集 原子力守る

 国策として原発を推進してきた自民党内で「原発維持」の動きが始まった。原発推進派の議員が結集し、新しい政策会議を発足させた。
この会議は「エネルギー政策合同会議」自民党内の経済産業部会、電源立地及び原子力等調査会、石油等資源・エネルギー調査会の三つを合体させたもの。党幹部は「原発を守るために作った」という。会議は、連休後に中長期のエネルギー戦略の議論を始める。

○菅首相、浜岡原発一時全面停止を中電に要請

 菅直人首相は6日、中部電力に浜岡原発(静岡県・御前崎市)の原子炉のすべてをいったん停止するよう要請したと発表した。定期検査中の3号機の運転再開も当面認めない。
首相は、東京電力福島第一原発事故を踏まえ、東海地震の震源域にある浜岡原発は地震や津波の備えが現状のままでは不十分と判断。中長期の対策が実行されるまで運転を止める考えを示した。

○浜岡原発、全面停止決定 中電要請を承諾

 中部電力は10日、菅首相の要請を受け浜岡原発の全面停止を承諾したと発表した。中部電力の水野社長は、「防波壁などの津波対策を完了すれば、運転再開の認めるとの確約をいただいた」と延べ、2〜3年後の再開を示唆した。
政府が中部電力に浜岡原発の運転停止の要請をしたのは、国地震調査委員会が作成した「全国地震予測地図」による。浜岡原発が立地している静岡県の地震発生確率は、この30年に以内に発生する確率が83.6〜84.0%とほかの原発と比べて突出して高かったからだ。


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最終更新日:2011/05/19