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○東日本大震災発生 国内観測史上最大規模

 3月11日午後2時46分ごろ、国内観測史上最大規模のマグニチュード(M)8.8(後に9に変更)の地震が発生した。震源は三陸沖。午後3時15分ごろには茨城県沖を震源とするM7.4の地震が発生。その後も三陸沖や茨城県沖を震源とする強い揺れを観測した。
12日午前の時点で、警察庁によると、岩手、宮城、福島、東京など1都6県で死者、行方不明者が多数発生した。東北沿岸地方は、地震による大津波の発生で大きな被害が発生。町全体が丸ごと水没する地域が相次いだ。岩手県陸前高田市、宮城県女川町などは町が津波によって水没し、火災が発生した。今後、犠牲者は相当数にのぼるとみられる。気象庁は、「平成23(2011)年東北地方太平洋沖地震」と命名した。
福島第一原発(福島県大熊町、双葉町)は自動停止、炉の一つが冷却できない事態となり、政府は初の原子力緊急事態宣言を出した。

○福島第一原発で、緊急炉心冷却システム(ECCS)作動不能に

 東京電力福島第一原発1、2号機で炉心を冷やす緊急炉心冷却システム(ECCS)が作動しなくなったという連絡が、経済産業省の原子力安全・保安院に入った。別の装置で炉心に水を入れて冷やしたが、午後8時30分にそれも動かなくなった。
東電は、電源車51台を同原発に向かわせた。政府は午後9時23分、福島原発から半径3キロ以内の住民に対して避難指示を、また半径3〜10キロ以内の住民に対して屋内退避の指示を発令した。

○福島第一原発で爆発 国内初の炉心溶融

 福島第一原発1号機の原子炉建屋で、12日午後3時36分ごろ爆発があり、建屋の壁と天井部分が失われた。この爆発で、860マイクロシーベルトを観測した。今回の爆発は、建屋内に水素が充満し空気中の酸素と結びつく「水素爆発」が直接の原因だった。また、再臨界を防ぐため、中性子を吸収して核分裂反応を抑えるホウ酸を使用した。さらに国内初の炉心溶融も発覚。炉心溶融を止めるために、海水が炉心に注入されたが、通常時は冷却には純水が使用される。塩分を含んだ海水が使用されたことによる施設へのダメージが懸念される。

○福島第一原発3号機で爆発、建屋が吹き飛ぶ

 福島第一原発3号機が、14日午前11時ごろ1号機と同様の水素爆発が起き、原子炉建屋の上部外壁が吹き飛んだ。東電によると、爆発後の午前11時44分、第一原発正門で1時間当たり20マイクロシーベルトの放射線が観測された。
3号機の燃料は上部約2メートルが冷却水から露出し、燃料棒が溶ける「炉心溶融」が続いたものと見られる。保安院は「設計値には余裕があり、直ちに爆発の危険はない」と説明している。

○福島第一原発2号機で炉心溶融、燃料棒露出

 福島第一原発2号機が、14日原子炉内の水位が低下、燃料棒全体が水から露出して空焚き状態になり、炉心溶融が起きた。蒸気を排出する弁も閉まって水を補給できない状態に陥ったので、15日午前零時すぎ、放射性物質を高濃度に含む蒸気を外気へ放出した。
2号機は14日になって、冷却機能が失われた。午後4時から海水を注入したが、水位が下がり続け長さ4メートルの燃料棒全体が、2時間20分にわたってすべて露出した。

○東日本大地震 釧路川を10キロ逆流

 逃がしに本題震災で、北海道釧路市の釧路港に押し寄せた津波は、釧路川を逆流、約10キロ上流の釧路湿原国立公園まで達したことが判明した。同市周辺ではたびたび津波が発生しているが、釧路川への逆流は記録がない。流入による湿原の生態系への影響は今は不明。

○福島の原発停止で、電力不足 計画停電も

 福島第一原発の全基が使用不能になったのと、地震の被害にあって火力発電所も稼動できなくなっているところもあり、電力供給能力が大きく落ち込み、需要を満たす電力を供給することが困難となった。
東京電力は、大停電の事態を避けるため計画停電を3月14日から実施した。首都圏の電車も通常より少ない本数で運行したため、初日の通勤に混乱をきたす事態となった。

○福島第一原発3号機から白煙

 福島第一原発3号機から白煙が上がっているのが16日確認された。3号機の使用済み核燃料プールが沸騰し、放射性物質を含んだ水蒸気が上がっていることが原因と見られる。保安院によると、4号機の核燃料プールも沸騰していると見られる。沸騰が続くと核燃料が露出し、大量の放射性物質が漏れ出す危険性がある。
さらに4号機では、16日火災が発生した。自治体消防隊が到着したが、放射線量が高く近づくことが困難な状況となっている。

○ホウレンソウ、牛乳から基準値を超える放射能検出 摂取制限

 福島県内の牛乳、茨城県内のホウレンソウから食品衛生法上の暫定規制値を超える放射性ヨウ素が検出された。政府は、福島第一原発の事故の影響と見て、同原発から一定区域内の産品の摂取制限や出荷規制を検討する。
厚生労働省は19日、福島県と茨城意見に対し、該当する牛乳とホウレンソウの入手先を調査し、販売禁止など必要な措置をとるよう要請した。

○福島第一原発周辺の津波 14メートル超

 福島第一原発周辺で、14メートル以上の津波が押し寄せた可能性があることが判明した。設計時に想定した津波の高さは約5メートル。想定の約3倍近い津波が襲ったことになる。
保安院によると、東電は02年に「過酷事故(シビアアクシデント)」に対する対策を複数作成したが、津波による被害は考慮されていなかった。

○福島県産のキャベツ、小松菜など 摂取制限を支持

 政府は、福島県産のホウレンソウ、小松菜、キャベツ、プロッコリーなどから食品衛生法の暫定基準値を超える放射性物質が検出されたとして、摂取制限を住民に呼びかけるよう指示した。さらに、同県産のカブや茨城県産のパセリと原乳についても当分の間、出荷を控えるよう両県知事に指示した。
暫定基準を超えたのは、放射性セシウムと放射性ヨウ素で、検出された両県産の野菜は21品目。

○東京・金町浄水場から規制値を超えるヨウ素検出 乳児の摂取制限

 東京都は、東京・金町浄水場の水道水から1キロあたり210ベクレルの放射性ヨウ素を検出したと発表した。乳児についての国の基準の2倍の数値となるため、乳児の摂取を控えるよう指示した。乳児のいる家庭には、ミネラルウォーターを配布した。
金町浄水場は利根川水系の江戸川から取水している。同じ水系から取水している千葉県も同日、全域に同様の指示を出した。

○東日本大震災被害、16兆円〜25兆円

 政府は、東日本大震災で損壊した道路や港湾、住宅、生産施設などの直接的な被害額が16兆円〜25兆円に達するとの試算を発表した。1995年の阪神大震災の9.6兆円を上回り、戦後最悪の被害額になる。
政府試算は、民間住宅のほか道路や港湾といった社会資本、店舗や工場といった民間企業の生産施設が対象となっている。企業が倉庫などで保管している製品在庫や個人の家財道具などは含んでいない。また、福島第一原発の放射性物質による汚染や、計画停電による経済損失といった間接的な被害額は算出されていない。

○福島第一原発 作業員3人が被爆

 福島第一原発3号機の建屋内で作業していた3人が被爆した。3人は3号機タービン建屋内で作業中に水溜りに入り、靴のすき間から水に触れ、被爆した。3人は放射線量計を携行していて、正常に作動し警報が鳴ったが、線量計の故障と思って作業を続行していたという。3人のうち直接水に触れた2人は、25日昼に千葉市の放射線被爆総合研究所に向かった。
3人が触れた水溜りを調べた結果、通常の原子炉内の冷却水の約1万倍の放射能を検出した。原子炉か核燃料プールにある燃料が破損して漏れ出た放射性物質が原因と推定している。

○福島原発敷地内からプルトニウム検出

 福島第一原発の敷地内で採取した土壌から、放射性物質のプルトニウムが検出されたと、28日東京電力は発表した。プルトニウムは半減期が極めて長く、毒性の強い放射性物質。今回の事故で、外部に放出された可能性が高いと見られる。
検出されたのは、プルトニウム238、239、240の3種類の同位体。敷地の5カ所の土壌から検出。同位体の比率から今回の事故が原因と見られている。

○大津波被害 JR23駅が流出 線路被害680ヵ所

 JR東日本は31日、東に本題震災に伴う津波で流出・破損した7路線の駅舎や線路などの被害状況を発表した。それによると23駅が流失し、線路の被害はこれまでの調査で約680ヵ所となった。
線路の被害が最多だったのは、常磐線でいわき―亘理間で約400ヵ所。JR東日本では、7路線について「復旧の見通しは立っていない」としている。

○東日本大震災によるがれき 宮城県で通常の23年分

 宮城県は28日、東日本大震災で発生した災害廃棄物の量が、通常の廃棄物の23年分に相当する約1500万〜1800万トン(土砂を除く)に上ると発表した。
がれきの撤去にかかる費用が全額国が負担することが決まっているが、大量のがれきの保管場所や輸送手段などがまだまだ未解決となっており、問題が山積している。

○高濃度放射性汚染水 海域に流出

 29日、福島第一原発1〜4号機の放水口付近で採取した海水から法令が定める濃度限度の3355倍のヨウ素131が検出された。
東電は、溶融した燃料に触れた水が炉心から漏れて建屋内にたまり、高い放射線量の水が流れ込んだ可能性が高いと見ている。水がどこから来るかを解明し、止水することに専念する方針。


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最終更新日:2011/04/13