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原発大情報

チェルノブイリ原発事故から3年後、事故の経緯とその後の議論を、約2000件の新聞記事により資料として活用できるように整理したものです。
1989年6月30日
B5版350ページ、2500円
三一書房発行

高木仁三郎──監修者の「まえがき」より

 本書はコンピュータのデータベースをフルに活用し、新聞情報、を、生き生きとしたつながりをもった情報として甦らせようという、ひとつの試みである。
 本書には1986年から88年までの約2000件の新聞記事が収録されていて、それはそれだけで壮観であるが、かんじんな問題は単なる量ではない。新聞記事を使いこなすために、第一に必要なことは、適切なインデックスによって必要な事項の検索をいつも可能にしておくことである。個人的な新聞切抜きのスクラップブックがぶつかる壁がこの点である。
 本書製作上の大きな努力は、適切な索引を作ることに費やされた。新聞報道から、最大限のメッセージを引き出すために必要なことは、それらを日々の断片的なニュースとして分断して受け止めるのではなく、ある文脈をもったひとつながりのものとして読むことである。ある適切な分類のもとに記事が配列されるとき、かくし絵が浮き上がるように、突如としてあるできごとの全体の文脈がみえることがある。そのような適切な分類化による配列も、本書をつくるにあたって苦心した点である。


目次から

第一部 チェルノブイリとその後
 1章 チェルノブイリ
 2章 国内の原発事故・故障
 3章 海外の原発事故
 4章 原発事故への対策

第二部 さまざまな立場
 5章 日本政府
 6章 原子力産業
 7章 各界の動き
 8章 海外諸国の動き
 9章 原子力の国際関係
 10章 核物質のスキャンダル

第三部 国民的論争
 11章 新規立地をめぐる動き
 12章 反対派と賛成派
 13章 安全性をめぐる論議
 14章 コストをめぐる論議

第四部 原発の現場
 15章 原発労働者たち
 16章 核燃料サイクル
 17章 核物質の輸送
 18章 放射性廃棄物
 19章 廃炉と解体
 20章 運 転

第五部 来し方と行く末
 21章 電力の状況
 22章 代替エネルギーの開発
 索 引